潰瘍性大腸炎と脂質

潰瘍性大腸炎 特別編

今回は特別編で、潰瘍性大腸炎ではなくても、避けた方がいい栄養素です。

今回のテーマは

脂質

牛脂

です。

分かりにくいですが、画像は「牛脂」です。

こちらも消化が非常に悪く、潰瘍性大腸炎にとっても避けた方がいい栄養素です。食物繊維ほどの悪化のリスクはありませんが、場合によっては、こちらも大腸に負担をかけ、悪化させるリスクがあります。現代の食事では、油がほぼ必須な料理ばかりで、なるべく取らないようにするには難しいですが、どのような影響があるのか調べてみました。

主に含まれている食材

霜降り肉
  • 肉・魚全般(特に脂身、皮など)
  • 豆類(大豆、オリーブなど)

部位によっては違いがありますが、基本的には、動物系全般に含まれております。これらは、肉、魚だけではなく、加工された乳製品(牛乳、チーズなど)などにも含まれています。

それ以外にも植物系にも、一部の食材に含まれており大豆などの豆類をはじめ、オリーブ、アボカドなどに含まれています。

どんな栄養素なのか?

大トロ

体全体を動かすためのエネルギー源

簡単に説明すると、動かすための燃料のような役割をする栄養素です。摂取した脂質をエネルギー(燃料)として、体を動かしています。これは、手や足だけではなく、大腸など、内臓の機能を動かすにも担っています。

そのため、この燃料が無いと、体が動かないだけではなく、内臓の機能を低下するため、体に弊害が出ます。

少量で大きなエネルギーを得られる

脂質は、少ない量で、大きなエネルギーとしての効果が発揮し、持続させる効果があります。体内で、保ち続け、使用時にエネルギーに変えるため、腹持ちも良いのも特徴です。

ただし、運動直前に摂取してもすぐにエネルギーに変えることができず、返って腹痛を起こす原因になるので、なるべく前日に脂質を摂取しておき、当日は消化しやすくバランスのいい食事をするように心がけましょう。

エネルギーは貯蔵できる

体に脂肪が付いて、見た目にも、体にも悪いイメージがありますが、過剰摂取した脂質を、いざというときのために、体に脂肪として貯蔵しておくこともできます

ただ、その分、体が重くなり、動きが鈍くなるなど、他の部分に弊害がある恐れがあるので、現代にとっては、良いことばかりではありません。

体を守ってくれる

先ほどの項目に加え、実は、外からの衝撃を吸収したり、体内の温度を一定に守ってくれる効果もあります。そのため、体、内臓を守り、生命の維持をしてくれる重要な役割を担っています。

肉と魚の脂質は違う

肉と魚は、同じ動物性ではありますが、若干異なり、主に2種類の脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸

バター

主に牛肉や豚肉などに含まれます。常温でも個体になっている「脂」と呼ばれるモノです。(バター、脂身など)

エネルギーに効率よく変えてくれる脂肪酸で、激しい運動などをする場合に効果を発揮します。ただ、現代では、肉などを食べる機会が増え、運動する機会が減ったことにより、動脈硬化などの生活習慣病が問題視され、控えるようにされています。

不飽和脂肪酸

サラダ油

主に、魚や一部の植物の脂質にあります。常温では液体になっている「油」と呼ばれるモノです。(サラダ油、オリーブオイルなど)

エネルギーの効果は少ないですが、血液をサラサラにするなどの効果があり、動脈硬化などを防いでくれます。こちらは、飽和脂肪酸と比べて、摂取する機会が少なく、また一部は体内で作ることができないモノも多いので、積極的に摂取するよう促しています。

吸収に時間がかかる

腹持ちは良く、持続的にエネルギーに変える特徴なので、消化に関しては、他の栄養素と比べて非常に遅く、大腸などに残り続けることがあります。また、蓄えた脂質は、内臓にも蓄積されます(内臓脂肪)。この内臓脂肪は、場合によっては、内臓の機能を低下させ、弊害が起こる恐れがあります

過剰摂取は生活習慣病

摂取しすぎると高脂血症となり、生活習慣病の1つとして分類されます。続いてしまうと動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの危険性が増します。これらの病気は急に倒れたり寝たきりの生活になる恐れがあり、普段の生活ができなくなる可能性がありますので自分の生活、体型をできれば毎日チェックをしてください。

最近、お腹が出てきたり、ズボンなどが急に履けなくなった方は今一度生活を改めましょう。

潰瘍性大腸炎としての評価

猫ジャンプ

消化が悪く、大腸の負担が大きい

「吸収に時間がかかる」項目にまとめたように、消化が悪いため、大腸の負担が非常に大きいです。大腸の負担は、炎症を治りにくくさせる恐れがあり、場合によっては、悪化する可能性もあります。大腸の負担を考慮し、なるべく取らない方がいいかもしれません。

過剰摂取は悪化の悪循環になるかも

貯蔵する機能は、体だけではなく、内臓にも貯蔵することができるため、いざという時に便利ではありますが、内臓の機能を低下させる可能性があります。特に大腸をはじめ、消化機能を低下させると、消化が遅くなり、食べたモノが大腸に残り続けるため、負担が大きくなる恐れがあります。

炎症を悪化させる悪循環にもなりますので、炎症があるうちは、なるべく避けることをオススメします。

腸内環境を悪化させる

動物性の脂質は、悪玉菌を増やす恐れがあるため、腸内環境を悪化させる恐れがあり、免疫力の低下や、体調不良になる可能性があります。また、炎症部分をさらに広げる可能性もあり、悪化や再燃のリスクが高まります。

炎症の悪化や再燃のリスクが高まるので、注意する必要があります。

意識して避けるべし

先ほどの項目もまとめましたが「消化が悪い」などの理由だけではなく、周りに多くの脂質のある調理、食材が増えてしまったため、油断していると、過剰摂取する可能性があります。これは、潰瘍性大腸炎ではない、健康な方であっても、注意喚起されるほど、問題視されています。

揚げ物をはじめ、炒め物などで調理した料理を食べる際は、十分に気を付けて下さい。

食べる場合の注意点

●一度に多く食べない

大量に食べてしまうと、炎症を悪化させるリスクは高くなります。また、大腸の負担も大きくなるので注意してください。

●夜の食事は特に控える

食物繊維と同じく、大腸を休ませられず、体調を崩すこともありますが、夜遅くに食べた脂質は、体に蓄積されやすいそうです。結果、大腸をはじめ、機能の低下や、生活習慣病の原因になり、治療が困難になる恐れがあるので、注意してください。

●体調が悪い場合は食べない

下痢や血便など、体調がいつも以上に優れないときは、逆に大きく負担をかける恐れがあるため、脂質を避け、なるべく消化の良い食事を心がけてください。

まとめ

健康志向のためか、脂質は「悪」というイメージが強いですが、体を動かすには、重要な栄養素で、少量で長時間動かすには非常に有効な栄養素です。また、それだけではなく、種類によっては、血液をサラサラにさせる効果があったり、蓄積した脂肪も、体を守ったり、保温効果もあるため、上手に利用できれば、非常に役立つ栄養素です。

ただ、潰瘍性大腸炎にとっては、消化は悪く、過剰摂取は、悪化や再燃のリスクがあります。また、健康な方であっても生活習慣病になる可能性があり、潰瘍性大腸炎にとっては、治療が長期化する恐れもあります。

良い部分もありますが、総合的に見ると、悪い部分が多く、たとえ健康な方であっても、意識して避けないと、様々な弊害になる恐れがあります。潰瘍性大腸炎にとっては、治療中は、もちろん避けた方がいいですが、たとえ、寛解になっても、避けた方がいい栄養素です。

脂質の多い食事は、美味しい物が多く、特に好物な料理ほど、該当するため、それらを制限するとなると、非常に辛いですが、今からでも遅くは無いので、少し意識して、脂質を抑えた食事を今から考えてみてください。

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