潰瘍性大腸炎と蜜柑(みかん)

潰瘍性大腸炎 食事

冬でコタツといえばこれです。

今回のテーマは

蜜柑(みかん)

こたつ 蜜柑

です。

甘くて、程よいサイズ感で食べられる果物で、なぜか冬によく見かけますが、ゼリーやジュースなどにもよく見かけ、一年中食べることもできるみたいです。冷凍みかんもあり、暑い夏でも大活躍してくれる果物ではありますが、潰瘍性大腸炎にとって、どんな影響があるか調べて見ました。(わかりにくいので、以降は「ミカン」と明記します)

シェアしやすい

包丁などを一切使わずに、手で分けられることができ、さらには、薄皮で果汁が出ないので、手を汚す心配なく、分けることが出来ます。大小様々ありますが、食べる量をあらかじめ決めることもできるので、少し欲しい場合にも、手軽に食べられます。

ジュースにしやすい

噛むと口いっぱいに広がるほどの果汁があり、水分が多いため、ジュースとして利用しやすい食材です。また、それほどクセは無いので、他の食材と混ぜやすく、飲みやすい味に仕上げてくれます。野菜や果物のミックスジュースなどを作る際に、ベースとして重宝する食材です。

年中食べられる

冬のイメージが強いですが、夏場は、冷凍された蜜柑が売られており、年中食べることが可能な食材です。ただ、冬の蜜柑は、旬ということもあり、非常に甘く、逆に夏は、アイスクリームなど、いろんな味が楽しめる冷たいお菓子の方が需要があるため、残念ながら注目を浴びることが出来ないみたいです。

免疫力をアップさせる

免疫力をアップさせてくれるビタミンCやβカロテンが豊富にあり、また、ヘスペリジンという成分が含まれており、ビタミンCをより効率よく発揮させてくれる効果があります。それ以外にもクエン酸による殺菌効果で、食材を守ったり、体の内部を守る効果もあります。

外部、内部共に、ウィルスなどから守り、風邪などを予防してくれるうれしい食材です。

手が黄色になる恐れがある

食べ過ぎると、手のひらなどの表面が黄色くなることがあるそうです。これは、蜜柑に含まれている成分(色素)が、皮下脂肪に蓄積されるため、少しずつ、黄色くなっているそうです。

病気、害というわけではないそうですが、気になる人にはストレスになる恐れがあるので、注意が必要です。また、少量でこのような症状が出た場合は要注意です(番外編を参照)。

消化しにくい箇所が多い

表面の皮はもちろん食べられませんが、剥いた後、白い繊維質や薄皮があり、こちらは消化が悪いです。また、種が存在することもあり、誤って飲んでしまう恐れもあります。これらは、不溶性食物繊維が多いので、気を付けて食べる必要があります。

水分が多いので注意

ジュースに出来るほど、水分が多いので、食べ過ぎると、下痢などの症状が発生しやすく、体調不良になることがあります。これは、トイレの回数が多くなったり、炎症の悪化や再燃につながる恐れがあり、治療が長期化するので、注意が必要です。

食べる場合

蜜柑タルト

腐敗しやすく伝染しやすいので注意

他の果物でもそうですが、特に蜜柑は、キズが付いてしまうと腐敗が早く、そのうえ、他の蜜柑にまで伝染しやすいので、その周りも腐敗していく恐れがあります。箱などで大量に購入した際、腐敗している、もしくは白い部分(カビ)がないかを、一度確認するようにしてください。

もし存在した場合は、その周りの蜜柑も、できれば食べない方がいいかもしれません。

食べる前に皮を確認する

こちらも、先ほどの項目同様ですが、腐敗した状態、もしくはカビが生えた状態で食べてしまうと、体調を崩す恐れがあり、悪化や再燃のリスクが高まります。購入後の確認と合わせて、食べる前に、再度、皮をチェックしてから食べるようにしてください。

冷たい状態で食べない

夏は冷凍の状態、冬でも、保存する場所によっては、非常に冷たい状態になっているかと思いますが、冷たい状態は、消化が悪く、体調を崩しやすいです。これらも、悪化や再燃の恐れがあるので、すぐには食べず、常温に近い状態にするなど、少し暖かくしてから食べるようにしてください。

消化の悪い部分は取り除く

先ほどにも書いたように、薄皮、白い繊維、種は不溶性食物繊維なので、消化が悪いだけではなく、悪化や再燃のリスクが高い部分ですので、取り除くのが手間ではありますが、なるべく、綺麗に取り除き、果肉の部分だけを食べるようにしてください。

発症後は、様子を見ながら食べる

腐敗や繊維質が多いなどの理由もありますが、蜜柑をはじめ、柑橘系は、人によっては、相性が悪く、体調を崩す要因にもなる恐れがあります。そのため、潰瘍性大緒炎発症後、初めて食べる場合は、少し様子を見ながら少しずつ食べることをオススメします。

野菜、フルーツジュースには注意

万が一、ミカンなど柑橘系を食べたときによく体調を崩す人限定ではありますが、野菜ジュースやフルーツジュースに含まれている恐れがあります。たとえ少量であっても、体調を崩す要因になることもあるので、原材料名を今一度確認することをオススメします。

缶詰のミカンは食べない方がいいかも

薄皮や繊維質が無く、果肉のみしか入っていないので、そのまま食べるよりは安全かもしれませんが、シロップで付けてあるモノが多く、非常に糖質が高いです。血糖値も気になりますが、シロップは、腸内環境を悪化させる恐れもあるので、あまりオススメしません

余談ですが、缶詰にシロップを入れる理由は、保存のためだそうです。(桃など、他の缶詰も同様の理由)

ジュースがオススメ(少し注意)

繊維や薄皮、時々、種も入っている恐れがあり、消化の悪い部分があるので、食べる際に注意しないといけませんが、すり潰したり、濾(こ)して、ジュースにすれば、安全に飲む(食べる)ことができ、さらには他の具材とも混ぜることが出来るので、オススメです。

ただ、糖質も高いので、気になる方は、注意する必要があります。

その他の注意点

一度に多く食べない

体調を崩す恐れがあるので注意です。

体調不良の場合は食べない

下痢などが出ている場合は、避けた方がいいです。

(番外編)少量で手のひらが黄色になったら要注意!

潰瘍性大腸炎にも若干、影響する内容でしたので、まとめました。

まずは、食べ過ぎると手が黄色になる理由を、詳しく説明します。

手が黄色になってしまう原因の成分は「β-クリプトキサンチン」で、蜜柑の色素だそうです。この成分は、肝機能により、基本的にビタミンAに変換させるそうですが、食べ過ぎ(摂取しすぎ)で、変換できずに余ってしまった分は、脂肪に付着するため、手などの皮膚の下にある脂肪に色素が付いてしまい、手が黄色くなってしまうそうです。(これを「柑皮症(かんぴしょう)」と呼ぶそうです)

そのため、少量で柑皮症が出た場合、ビタミンAにうまく変換されていない恐れがあり、肝機能が低下している可能性があるそうです。肝機能が低下すると、今飲んでいる薬を飲むことが出来ないなど、治療が困難となり、長期化してしまう可能性があります。

潰瘍性大腸炎の治療は、飲み薬が基本ではありますが、非常に多くの種類を飲む場合があるため、肝機能の負担は大きいです。また、先ほどの成分の変換も、肝機能を利用するため、負担もあります。

通院時には、血液検査をしているかと思うので、肝機能の低下は、主治医が気付くかと思いますが、もし生活中に、少量で、柑皮症が出た場合は、食べるのを中止し、念のため主治医に相談することをオススメします。

ちなみに、主にβ-クリプトキサンチンが含まれている食材は以下の通りです(日本食品標準成分表2010より)。表では、唐辛子(とうがらし)が、多いですが、食べる機会が少ないので、それを除けば、蜜柑が一番多いので、気を付けて下さい。

食材100gあたりの成分
唐辛子2200μg
蜜柑1800μg
パパイヤ 820μg
枇杷(びわ) 600μg
500μg
パプリカ(赤)230μg

評価

Good評価(多いほど良い評価です)

項目評価コメント
栄養
価値
免疫力をアップさせてくれる栄養素が豊富
食べやすいサイズに出来るのもうれしい
料理の
種類
ジュースやお菓子にする事は可能
料理に使うには、難しい
消化の
良さ
薄皮や繊維質が多く、時々、種も存在する
ジュースにすれば安全に食べられるが、糖質に注意

Bad評価(多いほど悪い評価です)

項目評価コメント
料理の
手間
表面の皮を剥けば、食べられるが、薄皮や繊維を
取り除いて、食べるのが苦労するかも
再燃
しやすさ
不要性食物繊維や、腐敗など、再燃になる要因が多い
また、食べ過ぎるのも危険
その他の
危険
糖質や食べ過ぎによる体調を崩す恐れもあるので注意
また、少量で「柑皮症」が出た場合も要注意!

まとめ

総合評価: 一口だけ あまり食べ過ぎない

1個の蜜柑に、さらに小分けしやすい形となっており、食べやすかったり、シェアしやすい果物です。栄養面も、特に免疫力アップが期待できるので、潰瘍性大腸炎にとっては、ありがたく、また、柑橘系は、果肉がとても水分が多いので、ジュースなどを作る際に大活躍してくれます。

そんな、表面を剥くのも簡単な蜜柑ですが、薄皮や白い繊維、時々、種が含まれている恐れがあり、これらを取り除いて食べる必要があるため、少々手間でもあります。また、柑橘系は、人によっては、少量でも体調を崩す恐れもあるため、すべての人が食べられるわけでもありません。

一応、ジュースにすることで、デメリットは解消されますが、場合によっては、体調を崩しやすく、また、腐敗などにも注意する必要があり、悪化や再燃のリスクがあります。ただ、潰瘍性大腸炎にとっては、うれしい免疫力を向上させる効果もあるので、このような評価になりました。

潰瘍性大腸炎にとっては、注意しないといけない部分の多い食材ですが、風邪などを予防してくれる効果など、健康な方でも、ありがたい部分も多いので、安定するまでは我慢し、寛解になってから、大いに利用するようにしてください。

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