潰瘍性大腸炎と海藻

乾燥した状態だと小さいですが、水に付けると大きくなる食材です。

今回のテーマは

海藻

です。

ワカメや昆布などいわゆる「藻（も）」と呼ばれる種類の食材です。基本的に乾燥させた状態で売られており、サラダなどの具材にしたり、味噌汁や鍋などの出汁として利用することができます。そんな海藻について調べてみました。

今回は海藻全体としての評価になります。個々の海藻については、別途まとめます。

生活習慣病を防ぐ

海藻には、健康に保つ栄養素が豊富にあり、あらゆる病気のリスクを抑える効果があります。

例えば、ミネラルが豊富で、カリウムによる血圧の上昇を抑えたり、マグネシウムによる血管の健康を保つなどの効果があります。他にも水溶性食物繊維も、脂質や糖質を抑える効果もあり、栄養過多を防いでくれます。

動脈硬化や糖尿病などのリスクを抑えてくれる頼もしい食材です。

カロリーを抑えられる

海藻は、基本的に脂質や糖質がほとんど無いので、カロリーが非常に低いです。その上、お腹にも溜まりやすいため、食べ過ぎを防いでくれます。メインに食べるには難しい食材ではありますが、具材として利用するといいかと思います。

骨を丈夫にする

骨の素材になるカルシウムが豊富で、骨や歯を丈夫にしてくれる効果があります。また、カルシウムの吸収を助けてくれるマグネシウムもあり、効果が期待さできます。

牛乳と比べると、カルシウムの吸収率は劣りますが、炎症のリスクが少なく、安全に摂取することが可能な食材です。

貧血を防ぐ

海藻には、血液の素材となる鉄分を多く含んでいるため、貧血を予防してくれる効果があります。ただ、食材のみだと吸収率が低いため、ビタミンCやタンパク質と一緒に食べることをお勧めします。

炎症による血便で、貧血気味になりやすい方は、体調のことも踏まえつつ、上手に食べてください。

調味料を少なくできる

一部の海藻ではありますが、旨味も豊富にあり、出汁として利用することも可能です。また、海の食材でもあるので、塩分が含まれており、調味料を少なくすることもできます。その分、味付けが若干難しくなりますが、うまく利用すれば、減塩することができます。

他の食材と一緒に

ミネラルは豊富なのですが、他の食材と比べると、吸収できる栄養価は少なく、不足気味の栄養を補うために食べるには、頼りない食材です。また、先ほど「カルシウム」「鉄分」が豊富と書きましたが、海藻のみでは、吸収率が悪いです。

メインに使うのではなく、他の食材と一緒にバランスよく食べることを前提として利用することをお勧めします。

便を改善してくれるかも？（少し注意）

海藻は、乾燥していると硬いですが、水に付けると、柔らかくなったり、ネバネバになるため、水溶性食物繊維が多く含まれます。少量であれば、下痢状態を改善し、トイレに行く回数を減らす効果があるかもしれません。

ただ、次の項目にもありますが、全体的に消化が悪いので注意が必要です。

消化が悪い

下痢状態を改善してくれる効果もありますが、この食材は、食物繊維が多いので、消化が悪いです。炎症悪化のリスクは少ないですが、大腸の負担は大きいので、食べるときは注意が必要です。

料理する場合

具材、もしくは出汁として利用する

海藻のみは、基本的に消化が悪いので、メインの食材にするよりは、他の食材と混ぜて食べることをお勧めします。また、旨味も豊富のため、出汁として使うこともお勧めします。悪化のリスクを抑えると当時に、調味料を減らすことができ、大腸にやさしい食事になります。

細かく刻む

海藻は、基本的に消化が悪いので、少しでも消化を良くするために、既に刻んである海藻を利用するか、細かく刻むことをお勧めします。難しい場合は、無理して食べる必要はなく、出汁として利用するのもいいかと思います。

他の食材とバランスよく食べる

栄養価やミネラルの吸収率が悪いので、他の食材とバランスよく食べることを意識してください。ほうれん草やジャガイモ、人参（にんじん）などの野菜に含まれているビタミンや、大豆（味噌汁でもいいです）などに含まれるタンパク質と一緒に食べることがお勧めです。

その他の注意点

柔らかくしてから食べる

乾燥した状態では、硬く消化が悪いので、しっかり水に付けて下さい。

食べ過ぎに注意

消化が悪いので、食べ過ぎに注意してください。

よく噛む

少しでも消化を良くするためによく噛んでください。

少しずつ食べる

一度に多くは食べないようにしてください。

評価

Good評価（多いほど良い評価です）

項目	評価	コメント
栄養価値		ミネラルは豊富だが、栄養価は低いまた、食物繊維も多い
料理の種類		具材や出汁として使えるメインとして使うのは難しい
消化の良さ		水溶性食物繊維のため、全体的に消化が悪い食べ過ぎに注意

Bad評価（多いほど悪い評価です）

項目	評価	コメント
料理の手間		乾燥した状態が多いため、水に付けたり、出汁を取るなど、時間と手間が掛かる
再燃しやすさ		水溶性食物繊維だが、食べ過ぎるとリスクが高くなる恐れがある
その他の危険		様々な病気のリスクを抑えてくれる若干、塩分が高いので注意

まとめ

総合評価：　一口だけ　悪化中は避ける

海藻のみの栄養価は低いですが、様々な病気のリスクを抑えてくれる頼もしい食材で、他の食材とバランスよく食べれば、吸収率がアップし、効果が大きくなります。さらには鉄分も含まれているので、貧血になりやすい方にはうれしい食材でもあります。

ただ、水溶性食物繊維が多いため、全体的に消化が悪い食材でもあります。炎症を悪化させるリスクは少ないですが、負担も大きいため、食べ過ぎると治りにくくなり、厄介です。

炎症中の場合、消化の悪い食物繊維は、なるべく避けた方がいいですが、様々な病気のリスクを抑えてくれることと、鉄分があるため、評価を一つ上げ、総合的にこのような評価となりました。

水溶性食物繊維なので、上手に食べれば、便の改善に役立つ可能性もあるので、まだ、炎症がひどいうちは、なるべく避け、落ち着いたら、味噌汁の具材程度でもいいので、食べていくことをお勧めします。