潰瘍性大腸炎と鶏肉

潰瘍性大腸炎 食事

普段の食事でもパーティ、特にクリスマスでも活躍する食材です。

今回のテーマは

鶏肉

鶏肉

です。

安くて美味しいお肉ですが豪華な料理にしたい時にも活躍してくれる鶏肉です。色んな調理方法があり、特に骨付きになるとインパクトのある仕上がりになりますが、残念ながら多くは食べられません。

肉を選ぶなら鶏肉

基本的にはどのお肉(牛や豚など)を食べても大腸の負担や炎症を悪化させる危険はありますが、脂質を取り除けばある程度は軽減されます。

ただ、あえて肉を選ぶとしたら鶏肉がいいかと思います。理由は、ほかの種類の肉よりも低脂質な部位があり、若干ではありますがタンパク質も高いので大腸の負担の軽減と栄養に最も優れていると思います。さらには安く手に入り、経済的にもうれしいので選ぶなら鶏肉をお勧めします。

各お肉の成分表(100gあたり)

肉の種類(部位)脂質(g)タンパク質カロリー
鶏肉(ささみ0.8g23.0g105kcal
鶏肉(むね肉)1.5g22.3g108kcal
豚肉(ヒレ)1.9g22.8g115kcal
牛肉(外もも赤肉)3.9g21.2g127kcal

良質なタンパク質

お肉なので良質なタンパク質が豊富にあります。筋肉や髪の毛などにいいですが、それ以外にもストレスや睡眠の質を上げるなど精神を安定させる効果もあります。潰瘍性大腸炎にとってストレスと睡眠は影響が大きいので積極的に取っていきたい栄養素です。

むね肉(皮無し)、ささみを選ぶ

部位は細かくするといろいろありますが、選ぶなら脂質が少なく高タンパクな部位がお勧めです。もっとも脂質が少ないささみ、もしくはむね肉(皮無し)を選ぶといいかと思います。

鶏の皮は避ける

どの部位もそうですが、皮は脂質が高いため、大腸に負担をかける恐れがあります。皮付きの部位は避けるか、皮のみを取り除いてください。

鶏皮(皮のみ)の串もおいしいですが、寛解になるまでは我慢してください。

食べすぎると炎症を悪化させる

動物性タンパク質なので悪玉菌が増え、腸内環境を悪くする可能性があり、炎症を悪化させる恐れがあります。一度に多くの量を食べないでください。

生焼けに要注意!

どの食材もそうですが、焼き加減はウェルダン(よく焼く)など火をしっかり通すことをを意識してください。潰瘍性大腸炎にとっては免疫力が低下しているため、食中毒になりやすい傾向があり、たとえ安定した人でも再燃(症状が再度ひどくなる)する恐れもあります。かといって焦げた部分も消化に悪いので調整が難しいですが、なるべく火を通すことを意識するようにしてください。

料理する場合

親子丼

皮は取り除く

脂質の多い皮は消化が悪いため、大腸に負担をかけてしまいます。皮が付いている部位については取り除いてから調理するようにしてください。

もしくはささみなど脂質がほとんどない部位も存在しますのでそちらを使うのもいいかと思います。

火の通りを念入りに確認する

鶏肉は他の肉と比べて若干火が通りにくく、生焼けになる可能性があり、食中毒の危険がありますので念入りに確認してください。

方法は串(金属が望ましい)で確認は可能で、厚い箇所に串を刺して赤い汁が出ないか、もしくは5秒ほど串を刺した後、触って冷たくないかなどで知ることができます。参考にしてください。

さらに蒸し焼きにするなど念入りに火を通すのもいいかと思います。(焼く場合は焦げに注意)

その他の注意点

脂質の多い部位は避ける

もも肉などは脂質が高いためできれば食べないようにしてください。

スジはしっかり取る

消化が悪いのでできれば取り除いてください。

調味料は少なめに

淡白な味ですが、大腸の負担を考え少量にしてください。

油で揚げたものは食べない

皮を取ったのに揚げ物を食べるのは本末転倒です。

【番外編】サラダチキンについて

サラダチキン

低脂質で良質なタンパク質

使用される部位は、ほとんど皮を取り除いたむね肉であるため、栄養素も変わらず低脂質で良質なタンパク質になっています。市販で売られているむね肉(皮を取り除く)とほとんど変わりません。

そのままでも食べられる

既に蒸した状態を真空パックにしているため、そのままでも食べることは可能です。具材として入れることも可能なので手軽に使うことができます。

ただ、購入時や保存時は冷蔵庫に入れて冷たくなっているかと思いますので大腸の負担を考慮し、少し温めてから食べることをお勧めします。

選ぶならプレーンを

淡白な味なのでペッパーやハーブ、ガーリックなど調味料を使って味付けされたサラダチキンもあります。大腸の負担を考慮し、できればプレーンを選ぶようにしてください。

値段が少し高い

通常のむね肉やささみと比べると少し値が張ります。手軽で簡単に使えますが、潰瘍性大腸炎の治療費も無視できないので購入の際は少し考えてみてください。

原材料名を確認する

たとえプレーンでも生姜(しょうが)などが入っている場合もあったり、人工甘味料などが含まれている場合もあるので注意が必要です。少量ではありますが、体調を崩したり、場合によっては炎症を悪化させるリスクがあるので原材料名はしっかりと確認し、食べる場合も様子を見てゆっくり食べてください。

評価

Good評価(多いほど良い評価です)

項目評価コメント
栄養
価値
良質なタンパク質が豊富
ただ部位によっては脂質が高い
料理の
種類
使える部位や使用できる調味料が限られて
いるので多くないかも
消化の
良さ
全体だと皮の脂質が高いので消化が悪いが
ささみ、むね肉(皮無し)なら「4」

Bad評価(多いほど悪い評価です)

項目評価コメント
料理の
手間
買ってそのまま使えるので非常に楽
皮やスジを取る手間くらい
再燃
しやすさ
脂質が高いのと動物性タンパク質なので
リスクは伴う
その他の
危険
他の肉に比べればリスクは少ないが
皮の脂質だけは注意!

まとめ

総合評価: 一口だけ 皮や脂身は食べない

鶏肉全体の評価であるため、特に重症の方は基本的に食べない方がいい食材になりますが、部位によっては評価がまた違います。特にささみに関しては脂質も少ない上に高タンパクなので一口と言わずもう少し食べてもいいかと思います。

ただ、それでもお肉は大腸に負担をかけたり、悪化させる恐れがあることも事実です。どの肉もそうですが、脂質はなるべく少ない部位を選んだり、脂身や皮は取り除くなどをして大腸の負担を軽減させる工夫は必要です。さらには鶏肉は火の通りも悪いので食中毒の危険もあります。

とはいえ、クリスマスなどの特別な日は自分の体調に合わせて多少は許してもいいかと思います。我慢ばかりではストレスが溜まってしまい、暴飲暴食になる可能性もあるので、たまに緩めるのも必要ではないかと思います。(経験談)

当日の体調や大腸の負担を考慮するのを前提として、少しだけにするなど特別な日は工夫して食べてください。

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