この匂いで、最初に食べようと思った人は勇気があると思います。
今回のテーマは
納豆
です。
独特な匂いなので、苦手な方もいるかと思いますが、以前まとめた大豆を、発酵させて作る加工品で、糸を引くほどネバネバしている食材です。食べる前に、よく混ぜる必要があるため、若干、手間ではありますが、ご飯をはじめ、他の食材によく合い、非常にさっぱりしています。そんな納豆について、潰瘍性大腸炎にとってどうなのか調べて見ました。
安くてちょうどいいサイズ
種類にもよりますが、100円以下で、3~4食分あり、非常に経済的なので、継続して食べることが簡単な食材です。また、量もちょうどいいサイズをしており、食べたい分だけ使えるため、1品追加したい場合などにも重宝します。
冷蔵庫に、1パック分ストックしておくと便利かもしれません。
筋肉の衰えを防ぐ(少し注意)
大豆から出来ているので、なかなか食べることが出来ない、タンパク質を多く含みます。ささみなどの肉よりは、劣りますが、工夫次第では、肉に匹敵するほどのタンパク質を摂取することが可能な食材です。さらには、植物性なので、腸内環境を悪化させることなく、食べることができます。
ただ、納豆単体では、吸収率が悪いので、ご飯など、他のタンパク質と一緒に食べることをオススメします。
疲労回復の効果がある
ビタミンB群が豊富で、疲れた体を癒し、次の日の調子を整えてくれる効果があります。特に、筋肉の回復に効果があり、先ほどの項目にあるタンパク質と共に、筋トレ後などには、最高の食材だそうです。
また、スタミナを強化してくれる効果もあるので、夏バテ防止にもなります。
骨を丈夫にしてくれる
骨の素材になるカルシウムや、そのカルシウムの吸収率をアップさせるビタミンK、さらには、骨の健康を保ってくれるマグネシウムが豊富で、どれも骨に欠かせない栄養素が多く含まれています。そのため、この食材一つで、丈夫な骨を作り、カルシウム不足による骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などを防いでくれます。
腸内環境を整える
納豆に含まれる納豆菌は、善玉菌の餌となるため、腸内環境を整えてくれる効果があります。これにより、免疫力が向上し、もしかしたらトイレの回数が少なくなるかもしれません。
腸内環境が悪化している潰瘍性大腸炎にとっては、非常にありがたい食材ですが、次の項目以降にあるように若干、気を付けないといけない部分もあります。
消化は若干悪い
原料である大豆と同じく食物繊維があり、特に不溶性食物繊維が多いので、消化が悪いです。また、先ほどの納豆菌は、腸内環境を整えますが、同時に、大腸に残り続けるため、大腸に負担をかける恐れがあります。
どちらも、治療の妨げや悪化のリスクがあるので、炎症がひどいうちは、あまり食べない方がいいかもしれません。
体調を崩す恐れがある
納豆は、たとえ健康な方でも、食べ過ぎると、肝機能不全を起こし、体調を崩す恐れがあります。また、先ほどの項目にあるように、潰瘍性大腸炎にとっては、不溶性食物繊維や、納豆菌が、大腸に悪影響を及ぼす恐れもあり、腹痛や下痢を引き起こす原因になる可能性もあります。
そのため、食べる場合は、少しでも消化を良くするために、工夫しつつ、慎重に食べる必要があります。
料理する場合
ご飯と一緒に食べる
日本では、定番な組み合わせで、ご飯にもタンパク質が含まれていますが、一緒に食べることにより、よりタンパク質の吸収率を高める効果があります。
朝食の定番である納豆とご飯をはじめ、納豆巻きや納豆のおにぎりは、最高の組み合わせなので、オススメです。
カラシは入れない
少し、ピリッとするカラシですが、刺激物であるため、大腸に負担をかける恐れがあります。炎症がまだひどい場合は、かけないようにし、少し物足りなくなるかもしれませんが、つゆのみで食べるようにしてください。
余談ですが、このカラシは、元々、より美味しくさせるためではなく、納豆独特の匂いを和らげるために使う調味料だそうです。
粒が細かい種類を選ぶ
より、細かい粒の方が消化が良いので、多少ではありますが、大腸の負担を軽くさせます。できれば、刻んでから食べた方がいいですが、非常に手間なので、粒の小さい納豆を選ぶといいかと思います。
小粒や、ひきわり、きざみタイプの種類を選ぶといいかと思います。
よく混ぜる
好みがありますが、よく混ぜることで、ふんわりとした食感になると同時に、豆がつぶれ、細かくなるため、こちらも消化が良くなります。そのため、より美味しく、大腸にやさしい仕上がりになるので、よく混ぜてから食べることをオススメします。
ちなみに、混ぜるほど、よりネバネバ感が増し、納豆菌が多くなりそうなイメージですが、実は変わらないそうです。そのため、自分の好みに合わせて、混ぜる回数を決めてもいいかと思います。
体調不良の場合は避ける
食べ過ぎによる体調不良や、不溶性食物繊維や納豆菌による、大腸の負担もあるため、体調が優れない場合は、食べないでおくことをオススメします。体調を悪化させ、潰瘍性大腸炎をさらに悪化させるリスクがあり、治療が長期化する恐れがあります。
その他の注意点
トッピングに気を付ける
同じネバネバであるオクラやめかぶなどは合いますが、入れすぎに注意してください
よく噛む
若干、消化が悪いので、少し意識してください。
一度に多くは食べない
消化が悪いので、少しずつ食べるようにしてください。
1日に何個も食べない
体調を崩す恐れがあるので、1日に1個を限度に食べるようにしてください。
冷たい状態では食べない
大腸に負担をかける恐れがあるので、なるべく常温に近い状態で食べるようにしてください。
評価
Good評価(多いほど良い評価です)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
栄養 価値 | タンパク質やカルシウムなどが豊富 ただ、食物繊維も若干多い | |
料理の 種類 | 若干、クセが強いため、合う食材が少ない ご飯との相性は抜群 | |
消化の 良さ | 食物繊維が多いため、消化が悪い また、納豆菌も、大腸の負担になる恐れあり |
Bad評価(多いほど悪い評価です)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
料理の 手間 | 1から作ると時間と手間が掛かるが 市販で売られており、すぐに食べられる | |
再燃 しやすさ | 不溶性食物繊維があるのでリスクはある 1日に1パック程度にする | |
その他の 危険 | 食べ過ぎると、体調不良になる 発症後、初めて食べる場合は慎重に |
まとめ
総合評価: 少しだけ 体調に合わせて
ネバネバ感がある食材ですが、原料の大豆と同じように、貴重なタンパク質が豊富です。それだけではなく、骨を丈夫にする効果もあったり、納豆菌という成分で、整腸作用の効果があるなど、潰瘍性大腸炎にとっては、非常にありがたい栄養素が豊富にあります。
ただ、大豆にもあったように、不溶性食物繊維も多いため、悪化のリスクは高いです。また、先ほどの納豆菌は、大腸に負担をかける可能性もあります。食べ過ぎなどに注意しないと、体調不良となり、悪化や再燃のリスクが、高くなる恐れがあります。
大腸の負担や体調不良による悪化のリスクは、無視できませんが、食べ方を工夫すれば、ある程度は抑えられます。また、タンパク質やカルシウムなど、潰瘍性大腸炎にとっては、取りずらい栄養素が豊富なので、少し評価を上げ、このような評価になりました。
どの食材でもそうですが、栄養価が高く、整腸作用があっても、「体に良いから」と思って食べ続けていたら、実は、体調を崩している原因だった食材になることも、よくあります。納豆については、リスクもあるため、炎症中は、なるべく食べない方がいいかと思いますが、栄養価は高いので、安定したら、少しずつ食べてもいいかと思います。自分の体調や食材との相性に注意しつつ、潰瘍性大腸炎を乗り越えてください。
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