潰瘍性大腸炎と豆腐(とうふ)

潰瘍性大腸炎 食事

個人的にはお世話になった大好きな食材です。

今回のテーマは

豆腐(とうふ)

豆腐

です。

淡白な味ではありますが、柔らかい食感をしており、料理だけではなく、お菓子にも利用されています。冷たい状態でも温かい状態でも食べることができるので、鍋に入れたり、具材にしたりと幅広く活躍してくれる食材です。食物繊維がある大豆からできているので、潰瘍性大腸炎にとってはどうなのか調べてみました。

消化が良い

大腸に負担をかけてしまいがちな栄養素である、脂質や食物繊維がほとんどないため、安心して食べることができます。また、野菜と違い、消化の悪い部分(皮や種など)も一切ないので、手間も少なく、体調不良の場合にもお勧めです。

豊富なタンパク質

「畑の肉」と呼ばれる大豆からできているので、タンパク質が豊富です。お肉よりは良質ではありませんが、植物性なので非常に安全にタンパク質を摂取することが可能です。

カルシウムが豊富

骨の材料になるカルシウムが豊富にあります。カルシウムと言えば、牛乳やチーズなどの乳製品が一般ですが、どちらも大腸の負担が大きいです。その点、豆腐なら負担もほとんどないので安心して摂取することができます。

お肉の代わりになる

挽肉のように使うことが可能で、お肉の代わりにもなってくれます。水分を抜く必要があるため、若干手間はかかりますが、消化の良いヘルシーなハンバーグなども作ることが可能です。ついでに生焼けによるリスクも少ないので、工夫すれば中等症以上の方にも、お肉に近い料理を安全に食べることが可能です。

原料の大豆よりも豆腐がオススメ

豆腐は、原料の大豆を加工した食材です。正確には大豆を絞った汁(豆乳)をにがりなどの凝固剤で固めて作られています。そのため、大豆にあった薄い皮などは一切ないので、消化も良くヘルシーな食材になっています。

内視鏡検査前日の食材候補

2時間程度で消化されるため、内視鏡検査の前日、前々日の食材候補としてアリです。食べすぎなければ検査に影響は少ないかと思うのでお勧めです。

ただ、食べ応えが無く、淡白な味なので、他の食材や薬味などを入れたくなりますが我慢してください。また、消化が良いということは、腹持ちが悪いので間食しないように、注意が必要です。

水分が多いので注意

水分の多い食材なので、食べ過ぎると、トイレの回数が増える恐れがあります。最悪、下痢の原因になる恐れがあり、大腸に負担をかけてしまうことがあるので、注意が必要です。

といっても、それほど多く食べる食材では無いので、それほど心配する必要はありませんが、「水分が多い」ということだけ、注意して食べるようにしてください。

料理する場合

豆腐あんかけ

温かい状態で食べる

暑い夏だと冷たい豆腐(冷奴)が非常においしいですが、冷たい状態は大腸に負担がかかるため常温に近い状態で食べるか、スープの具材や鍋にしたり、湯豆腐にするなど、できれば温かくしてから食べてください。

調味料の入れすぎに注意

淡白な味なので濃い味付けにしがちです。特に豆腐は消化の悪いゴマやネギ、刺激物の生姜(しょうが)などを多く入れがちで大腸に負担がかかるので少量にするようにしてください。

内視鏡検査前には湯豆腐がオススメ

先ほどから何度も書いていますが、消化が良いため、検査前には非常にお勧めな食材です。特に湯豆腐にすれば、温かい状態で食べることができます。昆布の出汁を使って、醤油を少し欠けるだけでおいしいです。

ただ、具材は豆腐以外は入れないでください。

その他の注意点

よく噛む

つるんと食べてしまいがちなので噛むことを意識してください。

食べすぎに注意

水分が多く、食べすぎると下痢になる恐れがあります。

焼き豆腐は若干消化が悪い

食べない方がいいほどの注意ではありませんが一応気を付けて下さい。

【番外編】各豆腐の違い

「豆腐」と呼ばれる食材は複数ありますが、それぞれ作り方が違い、特徴も違うのでまとめてみました。今回は4種類の豆腐(うち1つ例外)をまとめましたので参考にしてください。

一番消化の良い「絹ごし豆腐」

プルンプルンで滑らかな食感の豆腐です。

製法上、水分を多く含んでいるため、他の料理とはあまり相性はありませんが、一番消化が良く、さらに安全に食べたい場合は絹ごしを選ぶといいかと思います。

そのまま食べたり、サラダに入れて食べることが可能です。

凝縮された「木綿豆腐」

絹ごしと比べて、弾力があり、凝縮された豆腐です。

圧力をかけながら作っているため、水分が少なく、栄養価も高いのが特徴です。不足気味の栄養を補いたい場合はこちらを選ぶといいかと思います。

水分が少ないのを活かし、別の料理と混ぜ合わせることが可能で、お肉の代わりにする場合はこちらを選ぶといいかと思います。

独特な食感の「高野豆腐」

豆腐を乾燥させ、保存食品として作られたスポンジのような豆腐です。

豆腐を乾燥させているので、木綿と比べるとさらに水分が少ないのが特徴です。ただ、ほかの豆腐と比べると脂質が高いため、若干消化が悪いです。

そのままでは食べにくい豆腐なので、スープや煮物など出汁に入れてから食べるといいかと思います。

豆腐ではない!?「玉子豆腐」

大豆やにがりなどは一切使わず、出汁のみで作られた、「豆腐の形をした」料理に近い豆腐です。ちなみに杏仁豆腐やゴマ豆腐も同じく大豆は使われていません。

こちらは、卵を使用しているため、栄養価は高いですが、木綿よりも若干脂質が高く、消化が悪いです。ただ、気にするほどではないので、豆腐の味に飽きた場合はこちらを選んでもいいかと思います。

玉子豆腐は、既に完成しているので、具材として使うよりは、おかずの1品として、そのまま使うのがいいかと思います。

ただ、動物性タンパク質なので腸内環境が悪化する恐れがあり、炎症のリスクが通常の豆腐と比べて、若干ですが高いので注意が必要です。食べすぎないように注意してください。

評価

Good評価(多いほど良い評価です)

項目評価コメント
栄養
価値
摂取しにくいカルシウムやタンパク質が豊富
食物繊維や脂質が少ないのも◎
料理の
種類
具材や薬味は消化が悪いため、種類が限定される
湯豆腐にするのが無難
消化の
良さ
大豆と比べると脂質も食物繊維もない
検査前日の食事にしてもいいほど消化がいい

Bad評価(多いほど悪い評価です)

項目評価コメント
料理の
手間
そのままでも使うことが可能
しいて言えば水を抜く手間があるくらい?
再燃
しやすさ
植物性で脂質や食物繊維もなく安全
再燃の心配はほとんど無い
その他の
危険
低カロリーなのでダイエットにもお勧め
水分が多いので多少下痢になる可能性あり

まとめ

総合評価: 問題なし 上手に使おう

久しぶりに「問題なし」の食材を書くことができました。

豆腐は大豆とは違い、脂質も食物繊維も少ない無い上に、摂取しにくいタンパク質やカルシウムなどが豊富なので非常にありがたいです。さらには安全で消化も良く、お肉の代わりにもなってくれるので潰瘍性大腸炎にとっては、たとえ炎症がまだひどい時でも、おいしく食べることも可能です。

ただ、淡白な味なので薬味や調味料を多く入れたくなりますが、そこは我慢してください。また、消化が良い分、腹持ちは良くないので、間食しないように注意も必要です。

さらには種類によって、作り方や材料も違うので、もしかしたら体調を崩す場合もあります。発症後に初めて食べる場合は、様子を見て気を付けて食べることをお勧めします。

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