潰瘍性大腸炎と卵

潰瘍性大腸炎 食事

栄養満点で大好きな食材です。

今回のテーマは

卵

です。

卵のみでもおいしいですが、いろんな料理にも合い、何かとお世話になっている食材かと思います。また、生でも食べることが可能で、ご飯にかけたり、すき焼きに使ったりと味付けのような感覚で使うことも可能です。栄養満点なので毎日食べたいところですが、少し注意が必要です。

栄養満点でバランスがいい

良質なタンパク質をはじめ、ビタミン(ビタミンC以外)、ミネラルなどほとんどの栄養素がバランスよく含まれているので潰瘍性大腸炎にとって貴重な栄養源になるかと思います。

いろんな食材に合う

他の食材との相性が良く、お肉でも野菜でも混ぜ合わせて使うことでおいしくすることが可能です。また、卵のみでも玉子焼き、ゆで卵と1品にもなります。

潰瘍性大腸炎にとっては大腸の負担を軽減したり、栄養も大事ではありますが、おいしく食べるのも非常に大事なので、頼もしい食材です。

お菓子にも利用可能

食事だけではなく、お菓子の材料として利用することが可能で、甘い味付けにもよく合います。パンケーキやプリンなどなど、非常に美味しいお菓子になるので、間食でも楽しませてくれる食材です。

ただ、お菓子の場合は、糖質やカロリーも高くなりがちなので、食べ過ぎには注意する必要があります。

ビタミンCを補う必要あり

ほとんどの栄養素が含まれる卵ですが、実は食物繊維とビタミンCが無いそうです。食物繊維については潰瘍性大腸炎にとっては避けたい部分なので安心できますが、ビタミンCが無いのは無視できないのでこの栄養素だけは他の食材で補う必要があります。

殻・薄皮は消化が悪い

ゆで卵にした場合、殻や薄い皮は消化が悪いです。特に殻は硬いため、炎症部分を傷つける恐れがあります。「殻はカルシウムだから」と言い訳せず、安全性を考慮するため綺麗に取ってから食べるようにしてください。

食べすぎると悪化させる恐れがある

卵は動物性タンパク質のため、腸内にいる悪玉菌の餌となってしまいます。悪玉菌が増えると腸内環境が悪くなり、炎症を悪化させる可能性があります。食べられる量を見極めつつ、ゆっくり食べるようにしてください。

体調に合わせて半熟卵か完熟卵にする

卵には「生」「半熟」「完熟(ゆで卵)」と食べ方はそれぞれありますが、同じ食材でも消化率が違います。最も消化率が高いのは「半熟」です。

潰瘍性大腸炎にとって大腸の負担を考慮し、「半熟」にしたいところではありますが、重症時は、安全(食中毒など)を考慮し、「ゆで卵」で食べることをお勧めします。

料理する場合

目玉焼き

生では食べない

生卵のままでも食べることは可能ですが、免疫力が低下している潰瘍性大腸炎にとっては、大腸の負担や食中毒などのリスクが高いため、できれば一度火を通した状態(最低でも半熟)で食べるようにしてください。

焦(こ)げも消化が悪い

目玉焼きなどにする場合、焼きすぎると黒い焦げが発生する場合がありますが、この部分は、消化が悪く、こちらも大腸に負担をかける恐れがあります。かといって、先ほどにも書いたように、生はリスクが高いです。できれば目を離さず、焼きすぎない(もしくは、生焼けにさせない)ように注意しながら調理することをオススメします。

保存時は水で洗わない

調査して初めて知ったことですが、保存する前に水で洗うと、食中毒のリスクが非常に高く、傷みが早くなるそうです。そのため、悪化や再燃のリスクが高くなるので、たとえ、汚れがあったとしても、保存時は洗わず、調理の直前に洗うようにしてください。

殻・薄皮は綺麗に取る

特にゆで卵で食べる時の注意点ですが、殻や薄皮は消化が悪いので、取り除く必要があります。ただ、白い殻の卵や薄皮は、白身と同じ色なので、非常に見にくいです。

そのため、卵を剥いた後は、水でサッと洗ってから食べることをオススメします。

ビタミンCを含む料理と一緒に

卵にはビタミンCがないので、他の食材で補えば、栄養バランスの良い食事ができます。食物繊維もありませんが、潰瘍性大腸炎にとっては避けたい栄養素なので考慮する必要はありません。

ビタミンCが含まれる食材をまとめました。(詳細は各食材からリンクしてあります)

食材総合評価料理
ほうれん草卵でとじてオムレツ風にすると美味しい
もしくは、炒めるのもアリ
ジャガイモポテトサラダが簡単
煮物にして、ジャガイモと煮卵で食べても良い
ブロッコリー蕾(つぼみ)の部分のみ細かく刻んで、
オムレツに入れると美味しい
キャベツお好み焼きや炒め物にできる
ただ、食材としてはあまりオススメできない
もやし卵と一緒に炒めることができる
他の食材も混ぜられるのもうれしい
長芋
ながいも
千切りを卵でとじると美味しい
オムレツにもできる
レタスサラダにして食べると栄養満点
卵でとじて、レタスを具材にした汁物もいいかも
蓮根
れんこん
煮物にして食べるといいかも
半熟にしてかけるのも良い
ピーマン一緒に炒めるだけで簡単
器にして他の具材を入れれば、楽しい食事になる
のど飴EX手軽に食べられる
食後に口が寂しくなった時に食べるといいかも

調味料に注意

どんな料理にも合いますが、油やコショウなどは大腸に負担がかかるので、なるべく少量にしてください。

その他の注意点

・冷たい状態では食べない

大腸に負担がかかるためできれば常温にしてから食べてください。

・ゆで卵の場合はその日に食べきる

生より腐りやすいのでその日(作ってから1日以内)に食べてください。

・2回に分けて食べる

消化は決して良くないので2食に分けて食べると大腸の負担をある程度和らげます。

・食べすぎない

炎症を悪化、負担をかける可能性があるので1日に1個までを心がけてください。(オムレツなどはできれば半分の量で)

【番外編】卵かけご飯(TKG)について

半熟卵かけご飯とほうれん草

生卵ではなく半熟卵にする

美味しくて栄養満点の卵(生)かけご飯ですが、安全性と大腸の負担を考え、生卵は避けた方がいいです。卵は最低でも半熟の状態で食べることをお勧めします。

よく噛んでゆっくり食べる

サラサラと食べられるので咀嚼(そしゃく)が疎かになりがちです。少し噛む回数を意識することで消化しやすく、大腸の負担を軽くすることができます。

また、ゆっくり食べることにより早く満腹感を満たすことができ、食べすぎを防いでくれるので意識して食べてみるのもいいかと思います。

調味料は少なめにする

醤油などをかけたり、時にはゴマ油やバターなど油をかける人もいますが、消化が悪くなったり、スパイス系の場合は刺激物のため、大腸に負担をかける恐れがあるので注意が必要です。

ビタミンCを補う一品を用意する

食物繊維は(潰瘍性大腸炎にとって)問題ありませんが、ビタミンCは卵には無いのでほうれん草のおひたしなど、一品添えて一緒に食べると栄養も補うことが可能です。

評価

Good評価(多いほど良い評価です)

項目評価コメント
栄養
価値
ビタミンC以外は栄養満点
食物繊維が少ないのも◎
料理の
種類
混ぜ合わせたりするだけで簡単にできる
卵料理も検索すれば豊富にある
消化の
良さ
動物性タンパク質なので食べすぎると
消化が悪くなる恐れあり

Bad評価(多いほど悪い評価です)

項目評価コメント
料理の
手間
ゆで卵の場合は殻や皮を取る必要あるが、
手間をかけずに1品できるのはありがたい
再燃
しやすさ
食べすぎに注意すればそれほど心配はない
殻は綺麗に取ること
その他の
危険
動物性なのでどうしてもリスクは伴う
1日1個まで

まとめ

総合評価: ほどほどに ビタミンCは別で補う

単体でも美味しい食材でどんな料理にも合う上に、栄養バランスも良く貴重な栄養源でもあるので、潰瘍性大腸炎になっても何かとお世話になる食材です。

ただ、決して消化がいいわけではなく、食べすぎると炎症を悪化させる危険もあるので大腸の負担を考え、食べ方に注意しないといけません。

食べ過ぎには注意してほしい食材ではありますが、なんといっても栄養は、評価としては、ほぼ満点で、ビタミンCは取る必要はありますが、潰瘍性大腸炎にとっては不要な食物繊維が無く、豊富な種類の料理、どんな食材にも合うということで、このような評価になりました。

どの食材にも言えることですが、潰瘍性大腸炎の食事には個人差があり、他の人が食べれても自分は体調を崩すため、食べられないなどと言ったことがよくあります(逆のパターンもあります)。たとえ消化が悪くても栄養価が高いのでお勧めしたいですが、まずは自分の体調に合うかどうかを様子を見ながらゆっくり食べるようにしてください。

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