潰瘍性大腸炎と蟹(カニ)

潰瘍性大腸炎 食事

苦労の先に、美味しさがあります。

今回のテーマは

蟹(カニ)

ゆで蟹

です。

迫力のある見た目と硬さから、想像つかないほどのプリプリの食感があり、高級食材としてよく利用されています。おせちをはじめ、鍋の具材や、寿司、天ぷらなどの和食にも合い、縁起物としても重宝されているので、非常に楽しく食べることが出来ます。そんな蟹について、潰瘍性大腸炎とはどんな影響があるか調べて見ました。

苦労して剥くだけの価値がある

種類や食べ方によりますが、道具を使って取り除く必要があります。非常に面倒な作業ではありますが、味や食感など、最高に美味しいです。また、カニ味噌など、部位によっては、濃厚な味に仕上がっているので、殻以外は、余すことなく食べられる食材です。

迫力満点

味もさることながら、大きなハサミや、刺々しい見た目なので、迫力があり、第一印象で驚かされる食材です。具材も大きいため、料理や鍋の主役にもなり、目でも楽しませてくれます。

そのまま入れると、若干怖い感じになるかもしれませんが、話題になること間違いなしの食材です。

殻から出汁が出る

殻は食べることはできませんが、旨味も含まれているため、出汁を取ることが可能で、他の料理に利用することが出来ます。この出汁を使って、スープなどにすれば、蟹の風味が追加され、殻のみでも、美味しく食べることが可能です。

また、少し焼いてから出汁を取ると、香ばしくなるなど、一味違った味になるそうです。

ほぐして使える

身は、包丁などで切ることなく、手で簡単にほぐす(細かくする)ことができるので、細かい状態で使うことが可能です。料理にまんべんなく使えば、蟹の風味が追加された一味違う料理に仕上げてくれます。例えば、料理などに、ほぐした蟹を入れることで、蟹風味の玉子焼きなどを作ることが可能です。

缶詰タイプも売っている

鍋にはあまり向いていませんが、身の部分のみが入っている缶詰タイプも売っており、具材として他の料理に利用することが可能です。ちなみにこの缶詰に入っている汁も使うことが出来るので、パスタなど蟹の風味を出したい料理にも大活躍してくれます。

あらゆる臓器を正常に保つ

海老などと同じく、タウリンが含まれており、疲労回復をはじめ、あらゆる臓器を正常に保つ効果があります。また、肝機能を助ける効果もあるため、薬で負担をかけてしまいがちな肝臓の負担を軽減してくれるかもしれません。

ただ、もし栄養ドリンクなどを服用している場合は、過剰摂取になるので、注意する必要があります。

筋肉の衰えを防ぐ

蟹の身の部分は、タンパク質が多く含まれているため、筋肉になります。お肉と比べると若干劣りますが、脂質が低く、高タンパクなので、筋トレにも向いている食材だそうです。ただ、値段が高いので、タンパク質を補う場合は、別の食材で摂取することをオススメします。

特定原材料に指定された食材

この食材は、アレルギー患者が多く、食べると重症になる恐れがあるなどの理由から、「特定原材料」に指定されているそうです。発症する原因は不明ではありますが、健康な方でも、体調を崩している場合に発症することがあるそうなので、常に体調不良の潰瘍性大腸炎にとっては、食べ過ぎなどに注意する必要があります。

一人では食べられない

少量でも値段は張る上に、1人前でもボリュームがあるため、一人で食べきるには量が多いかもしれません。経済的なストレスや、食べきれない、食べ過ぎて体調を崩すなどで、悪化や再燃につながる恐れがあるので、食べ方に少し工夫が必要です。

消化は良いわけではない

蟹の身やカニ味噌は、総合的に消化はそれほど良い物ではないので、まだ、炎症がひどい時や、体調不良時の食事には不向きです。当然ですが、殻は消化は悪いので、ソフトシェルクラブという殻ごと食べられる蟹は、食べないようにしてください。

会話が無くなる

見た目も味も豪華な食材なので、会話が弾む楽しい食事になるかと思いきや、人によっては、殻を取り除いて食べるのに夢中になるため、食事中は、会話の少ない時間になる恐れがあります。そのため、会話しながらの食事会や宴会には、若干不向きであり、潰瘍性大腸炎にとっても、あまり食べられないため、手持無沙汰になるかもしれません。

食べる場合

蟹鍋

生、またはそれに近い状態では食べない

刺身や寿司、しゃぶしゃぶなどでも食べられますが、生に近い状態は、消化は悪く、また食中毒の恐れもあるため、場合によっては、炎症の悪化、再燃のリスクがあります。生の美味しさが損なわれますが、リスクを抑えるため、しっかり火を通してから食べるようにしてください。

殻は出汁として使うことが可能

一部の種類を除いて、基本的に殻は食べることが出来ませんが、出汁として利用することが可能で、蟹の風味をプラスした料理に仕上げることもできます。せっかくの高級食材であり、蟹の風味を少しでも長く味わうため、殻は捨てず、出汁として利用し、汁物などに利用するといいかと思います。

カニ味噌は食べ過ぎに注意

カニ味噌は、好みが分かれますが、非常に濃厚な味で、おつまみにもなるので、食べると日本酒が飲みたくなるそうです。しかし、治療中は、アルコールはもちろんNGではありますが、プリン体が多いので、痛風になる恐れがあります。食べ過ぎないように注意する必要はありますが、尿酸値が高い、痛風の方は、食べないでください。

ほぐしてから食べる

殻から取り除いた、固まっている状態で食べるよりは、細かくした方が多少、消化は良くなります。特に蟹は、手などで簡単に、ほぐすことが可能です。食感が無くなり、食べ応えがありませんが、身を細かくして、料理の具材として食べることをオススメします。

体調を崩す場合は中止する

今まで何ともなかった方でも、アレルギーになる恐れがあり、特に潰瘍性大腸炎にとっては、リスクが高いので、場合によっては、治療が長期化してしまう恐れがあります。そのため、食べ過ぎに注意すると共に、体調が悪くなったら、すぐに中止し、主治医と相談することをオススメします。

ボイルした状態がいいかも

基本的に、生の状態からの冷凍と、一度ボイル(茹でるなど)した状態からの冷凍の2種類があるそうです。潰瘍性大腸炎の観点からいうと、生よりは、一度火を通した状態になったボイルの方が、解凍後、食中毒のリスクが少ないので、購入する際は、火を一度通してあるボイルされた冷凍の蟹を選ぶといいかもしれません。

蟹料理の食事会には対策が必要かも

先ほどに書きましたが、手持無沙汰になる恐れがあるため、楽しいはずの食事会が、かえってストレスとなる恐れがあります。といっても、黙々と食べている人を邪魔するのも難しいので、残念ですが、食事会を避けるか、もしくは、別料理を頼むなど、何か対策を考えた方が良いかもしれません。

その他の注意点

怪我に注意

ハサミをはじめ、棘などで怪我をする恐れがあるので注意です。

できれば道具を使う

道具を使った方が、綺麗に取れてスッキリします。

評価

Good評価(多いほど良い評価です)

項目評価コメント
栄養
価値
豊富なタンパク質やタウリンが含まれている
また、脂質や食物繊維が少ないのもうれしい
料理の
種類
料理にしなくても、そのままでも美味しいが、
殻は出汁として利用することもできる
消化の
良さ
悪くは無いが、それほど多く食べるものではない
ただ、体調不良の場合は避けた方がいい

Bad評価(多いほど悪い評価です)

項目評価コメント
料理の
手間
殻を取るのが手間だが、美味しいため問題なし
取り除くのが面倒な場合は、缶詰もいいかも
再燃
しやすさ
脂質食物繊維が少ないのはありがたいが、
食中毒やアレルギーなど、体調不良による悪化の方がリスクが高い
その他の
危険
食べ過ぎは、大人でもアレルギーになる恐れがある
特に潰瘍性大腸炎は、体調を崩しやすいので注意

まとめ

総合評価: 一口だけ

美味しいのは当たり前ですが、見た目もインパクトがあるため、料理を豪華にしてくれること間違いなしの食材です。栄養価も、脂質が低い割には、タンパク質が豊富なので、潰瘍性大腸炎にとっても、ありがたい食材となるかと思います。

ただ、潰瘍性大腸炎にとっては、体調を崩しやすいこともあり、最悪、アレルギー体質になるリスクも高いため、不溶性食物繊維とは違った意味で、気を付ける必要があります。それ以外にも、お金が掛かったり、宴会などでは、会話が少なくなる恐れがあるなど、精神的な方でダメージを負いかねないです。

そんな、悪い部分が目立ち、注意する点も多い食材ではありますが、食べる機会が少ないことと、工夫次第では、リスクを抑えることができるので、このような評価になりました。

あまり食べない方がいい評価ではありますが、全く食べないのも、かえって体に悪い上に、高級食材で、滅多に食べられない食材なので、まだ炎症中は、少量にすることをオススメします。潰瘍性大腸炎の食事を徹底することも大事ですが、緩めることも大事なので、この両立をうまく利用し、辛くない治療生活を送るようにしてください。

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