シンプルなおひたしや、油などを使った料理に最高に合います。
今回のテーマは
ほうれん草
です。
葉っぱも茎も両方食べられるので、一つの食材で、いろんな食感が楽しめ、そして、いろんな調味料に合う食材です。鉄分が豊富で貧血を予防してくれるイメージがあるので、潰瘍性大腸炎にとっては、是非とも食べ続けていきたいところです。そんなほうれん草について調べてみました。
簡単に一品追加できる
ほうれん草のおひたしだと、非常に簡単に早く作ることが出来ます。1品追加したい時や、栄養が偏っていると感じたときに、簡単に利用することが出来るので、1品欲しい場合にオススメの食材です。
それ以外にも、具材としても使えるので、炒め物やスープなどの具材として利用することもできます。
貧血を予防できる(少し注意)
炎症中は下血していることが多く、貧血になる可能性があります。そんな状態を防いでくれる鉄分が豊富で貧血予防になります。
ただ、若干吸収率が悪いので、吸収率を高めてくれるタンパク質と一緒に食べることをオススメします。また、鉄分は、吸収する際に、肝臓に負担をかける恐れがあります。飲み薬を多く飲んでいる潰瘍性大腸炎にとっては、治療に悪影響を及ぼす恐れがあるので、注意が必要です。
免疫力を高める
ビタミンCやβカロテンが豊富に含まれており、体の中と外から、免疫力を高めてくれます。潰瘍性大腸炎にとっては、腸内環境の悪化や、薬などの副作用により免疫力が低下しやすい恐れがあるのでそれを補ってくれたり、風邪予防にもなります。
カルシウムの吸収を助ける
ほうれん草には、ビタミンKが含まれており、骨の原料となるカルシウムの吸収率を上げてくれます。そのため、カルシウムと一緒に食べることで、骨の健康を保ってくれます。
牛乳などの動物性は、大腸に負担がかかるため、難しいですが、豆腐などの大豆と一緒に食べることをオススメします。
茎は消化が悪い
ほうれん草は、基本的に葉っぱと茎の両方をいただきますが、特に茎の部分には栄養価が高いです。ですが、食物繊維も豊富で消化が悪いので体調が悪いときはなるべく取り除いて食べるようにしてください。
結石になる可能性がある
シュウ酸が多く含まれており、栄養価の一つではあるのですが、潰瘍性大腸炎は合併症である「結石」になる可能性が高いので毎日食べるのは控えた方がいいです。
料理する場合
良質なタンパク質と一緒に食べる
ほうれん草に含まれている鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれ、食材だけでは吸収率が悪いです。そこで良質なタンパク質と一緒に取ることができれば吸収率がアップします。
かつお節や卵と合わせて食べるといいかと思います。
炎症があるうちは茎は避ける
茎が特に消化が悪く、食物繊維も多いため、悪化するリスクが高いです。それほど、たくさん食べる食材ではありませんが、少しでもリスクをさえるために、覚えておくといいかもしれません。
食感が無くなってしまいますが、なるべく、細かくしてから食べるか、葉っぱの部分のみに食べるようにしてください。
根本は食べない方がいいかも
ほうれん草の根元にある赤い部分は、栄養価は高く、食べられますが、食物繊維が多いことと、土が多く付いているため、若干、食中毒のリスクがあります。潰瘍性大腸炎にとっては、悪化・再燃のリスクがあるので、炎症があるうちは、リスクを抑えるために、食べない方がいいかもしれません。
ジュースがオススメ
食材を食べるのもいいですが、細かくして、ジュースにするのもいいかと思います。ほうれん草の他に、バナナや林檎(りんご)などの果物を入れれば、オリジナルのジュースを作ることもできます。
ほうれん草のビタミンCや鉄分を、余すことなく飲むことができ、栄養満点のジュースが出来るので、オススメです。
茹ですぎに注意
ほうれん草に含まれているビタミンCですが、水溶性であるため、茹で汁の方に流れてしまい、損なわれる可能性があります。もし茹でた場合にはそれを考慮し、ビタミンCをほかの食材で補うか、茹で汁をそのまま食べるスープなどの具材として、利用するといいかと思います。
油は極力使わない
ほうれん草は、油との相性が良く、ごま油やバターなどで炒めると最高においしいですが、油は脂質が多いため、消化が悪く、大腸に負担をかける可能性があります。そのため、少量、もしくは使わない方がいいかと思います。
食べるなら、おひたしなど、油を使わない料理にするといいかと思います。
ゴマはなるべく「すりごま」を
お浸しの場合はゴマをかけたくなりますが、表面の皮は、非常に消化が悪いため、大腸に負担をかける可能性があります。なるべく使わない方がいいですが、ゴマも栄養価が高いので「いりごま」ではなく「すりごま」をかけ、少量で食べてください。
ほうれん草を入れた味噌汁がオススメ
味噌とほうれん草は、それぞれの栄養素の吸収率を高めるため、非常に相性が良いので、ほうれん草入りの味噌汁がオススメです。ビタミンCを余すことなく食べることが可能と同時に、カルシウム、鉄分をお互いの栄養で、吸収率をアップさせているので、最高の組み合わせではないかと思います。
その他の注意点
食べ過ぎに注意
栄養価はありますが、シュウ酸や鉄分により、治療に悪影響があるので注意です。
評価
Good評価(多いほど良い評価です)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
栄養 価値 | 鉄分、ビタミンC、βカロテンが豊富 良質なタンパク質も一緒に取ると吸収率アップ | |
料理の 種類 | お浸しくらいしか安全に食べることができないかも ただ、1品追加したい時に簡単に作ることが出来る | |
消化の 良さ | 茎に食物繊維が若干あるので消化が悪い 葉っぱのみ食べるといいかも |
Bad評価(多いほど悪い評価です)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
料理の 手間 | 茎を取り除く場合は少し手間 ただ、茹でて和えるだけで使えるのは楽 | |
再燃 しやすさ | 茎など気を付けて食べれば心配なし もしくは食べ過ぎなければ問題なし | |
その他の 危険 | シュウ酸が多いので食べすぎに注意 また、鉄分により、肝臓に負担をかける恐れがある |
まとめ
総合評価: 一口だけ 茎は避ける
炎症中は出血しているため、知らず知らずのうちに貧血になる可能性があります。そんな貧血を予防する鉄分が多く含まれているので、ぜひとも押さえておきたい食材です。それ以外にも、免疫力アップや、貴重なカルシウムの吸収率を高めるなど、栄養面も高いのも、うれしいです。
ただ、鉄分は、肝臓に負担をかけてしまうため、治療に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、合併症でもある「結石」になる可能性があり、毎日食べるのは、残念ですが、オススメできません。それ以外に、食べる場合でも少し注意が必要で、茎の部分を取り除いたり、調味料にも気を付ける必要があります。
栄養価は高く、特に鉄分があるので、貧血予防になるかと思いきや、肝臓に大きく負担させる可能性があり、治療に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、まだ炎症がひどく、薬を多く飲んでいる方には、あまりオススメできず、食べ過ぎに注意してほしいので、このような評価になりました。
体にうれしい栄養素でも、過剰摂取すると、悪影響になってしまう栄養素も多くあります。特に、今回注目した鉄分に関しても、取り過ぎると肝臓の負担になるので、薬をまだ多く飲んでいる重症、中等症の方は、避けた方がいい食材だということがわかりました。ですが、良い部分も多くあるので、炎症が抑えられたら、積極的に食べてもいいのではないかと思います。自分の症状、体調に合わせて、気を付けて食べるようにしてください。
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